軽合金ホイールの製法

軽合金製ホイールの製法には大別して溶かした素材を金型で固める鋳造法と素材を高圧でプレスする鍛造 法の二種類がある。

鋳造法~ピースやディスク製造に最も普及

重力鋳造法

 溶かしたアルミニウム合金を自然重力によって鋳型に注入する方法で、重力を利用することからグラビティ法、あるいはGD(Gravity Die Casting)法とも呼ばれている。この方法は、わが国で最も普及しているもので、溶湯を型に流し込むときに重力だけが圧力となって加わることから、こう呼ばれる。その具体的な製造過程は、上型、下型、横型というそれぞれの金型があって、そこに湯口から湯道を通して溶けたアルミニウム合金(溶湯)を鋳込む方法。

低圧鋳造法

重力鋳造法は、最も簡単にできるホイールの製造ではあるが、溶湯を型に流し込む際にかかる圧力は重力だけなので、重力の影響を受けやすい金型の下の方に、分子構造が偏りやすいという傾向を持っている。
それを、より完璧なものにするために用いられるのが、この低圧鋳造法である。
この製法では、金型の下に溶湯を保持する密閉された炉(ルツボ)があるのが特徴だ。その炉の中のアルミ溶湯に低圧ガスを加えながら、ストークと呼ばれる導管を介して、金型に充填する方法。

ダイカスト法

このダイカスト法の中で、軽合金ホイールの製造には、主に無孔性ダイカスト法が使われている。この製法は、PF(Power Free)ダイカスト法とも呼ばれる。具体的な作業内容は、鋳型内の空気をガスで追い出した後、アルミニウム合金を溶かした溶湯を、噴霧注入する方法。

スクイズ製法

鋳造の手法を用いながら、鍛造に匹敵する強度を実現した製法。溶けたアルミニウム合金(溶湯)を金型に流し込み、それが固まりかけたときに、さらに700~1000㎏/cm2の高圧をかけてアルミニウム合金を鍛え、均一化させる製法。こうした方法をとることによって、製品内に水蒸気や気泡のない、緻密な金属組織を作ることができる。
この製法による製品は、同サイズの低圧鋳造1ピースホイールに比べると、10~15%の軽量化が可能で、高い強度と高い靭延性(粘りのある性質)とを併せ持っている。

鍛造法~圧力をかけて軽合金素材を鍛える

熱間鍛造法

一般的に鍛造というのは、金属素材に高圧プレスをかけて、ある形にすることを言うが、その鍛造にも処理方法の違いによっていくつかの種類がある。
その中で軽合金ホイールの製造に使われるのは、熱間鍛造法と呼ばれるもので、ビレットと呼ばれるアルミニウム合金素材を約400~500℃に加熱しながら高圧プレスする方法。このプレス作業を何度か繰り返しながら成型していく。
 

溶湯鍛造法

文字どおりアルミニウム合金を溶かした溶湯に、プレスをかけながら成型していく方法である。この製法は溶湯を金型の中に注入し、凝固過程で300~1500㎏/cm2の高圧をかけることから、高圧鍛造法とも呼ばれている。

SSF(半溶融鍛造法)

この製法の特徴は、MHD-A357と呼ばれる電磁攪拌されたアルミニウム合金を使う点にある。
MHD-A357合金は、従来のA357合金に比べると、非樹枝状の固相と液相のバランスがよく整っているのが特徴である。
その製造過程はA357MHDビレットを適当な寸法に切断してスラグ(固まり)にし、予備加熱のため、熱風炉にて500℃前後まで加熱する。予備加熱されたスラグは、高周波電気誘導加熱炉で最終加熱をする。
加熱されたスラグは、自動的にプレス機内の金型上部にあるメタル注入ゲート上にセットされ、ショットスリーブに格納された後、油圧ピストンによって加圧ショットされ成型される。
なお、このSSFは、従来の鋳造が持つ細部までのディティール表現と、鍛造の持つ高い剛性とを両立させた製法として注目されている。そのうえ、軽合金ホイールの基本条件である軽量化にも、大きな効果を持っている。

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